【非常用発電機】消防法上の設置基準や点検義務について解説

2026/02/25

各施設には様々な消防設備が設置されていますが、停電時にそれら消防設備へ電力を供給し、建物の安全を確保するために重要な設備が「非常用発電機」です。
普段は稼働していなくても、災害時などのもしもの時に、確実に稼働し必要な電力を供給する性能が求められます。

非常用発電機は消防法により点検が義務付けられており、設置後も管理・点検が必要です。
以下では、非常用発電機の役割から消防法上の設置基準、点検方法についてご紹介いたします。

 

非常用発電機とは?

非常用発電機とは、停電や災害などで商用電源が停止したときに自動的に電力を供給するための設備です。

非常時でも照明や消防設備、避難誘導設備が使えることにより人命と建物の安全を守る役割があります。
発電機には常用発電機やピークカット用発電機などがありますが、非常用発電機は「停電時に動くこと」を目的とした非常電源設備のひとつです。

病院・商業施設・オフィスビル・工場・データセンターなど電力が止まると安全や事業継続に大きな影響が出る建物で重要な役割を担います。

 

非常用発電機の消防法上の設置基準

消防法では、非常時に消防設備が確実に作動するように非常電源の設置が義務付けられています。
非常電源とは、停電時に消防設備へ電力を供給するために必要な設備で、

・自家発電設備(非常用発電機)
・非常電源専用受電設備
・蓄電池設備
・燃料電池設備

などがあります。
非常電源の中で供給可能な電力の大きさ・持続時間・信頼性の面から、自家発電設備(非常用発電機)が多く選ばれています。

 

設置義務

消防法上の設置義務は建物の用途や規模、設置されている消防設備によって決められていますが、不特定多数の人が出入りする特定防火対象物(商業施設、ホテルなど)や、延べ面積が一定以上の建物、消防用設備が多数ある建物は設置義務が生じることが多いです。

消防法施行令では、電力を必要とする消防設備を下記の通り定められています。

・屋内消火栓設備
・スプリンクラー設備
・水噴霧消火設備
・泡消火設備
・不活性ガス消火設備 など

これらの消防用設備は停電時に問題なく動く必要があるため、非常電源を設けて電力を供給する必要があります。

 

設置基準

非常用発電機の設置基準は周辺設備や建物構造により異なりますが、一般的には下記が検討項目となっております。

・設置スペース
・換気、排気状況
・燃料設備
・防水、浸水対策
・運転可能時間(燃料容量)
・点検、保守性

また、非常用発電機の選定には負荷容量の計算が必要となります。
設置条件や仕様の判断については管轄の消防署との協議により決定されます。

 

非常用発電機の点検・管理義務

非常用発電機は、災害や停電などのもしもの時に消防設備へ電力を供給する重要な設備です。

そのため、設置するだけでなく、消防法第17条3の3により定期的な点検が義務付けられています。
以下で各種点検について詳しく説明いたします。

 

機器点検

半年に1回、発電機が起動できる状態かどうかを確認する点検です。非常用発電機の外観・作動・異常の有無を確認します。無負荷で運転し、短時間で、状態維持を確認する点検です。

 

総合点検

1年に1回、発電機が電源供給できるかを確認する点検です。電源供給性能を確認するため、負荷をかけて性能を確認する試験が必要とされています。試運転などの無負荷運転は対象外となります。

負荷をかける性能確認は下記方法があります。

【負荷試験】
実負荷もしくは模擬負荷により、非常用発電機に負荷をかけて運転する点検方法です。
実際に負荷をかけて、発電機側に問題がないかを確認いたします。

【内部監察】
エンジン内部を分解し、性能劣化を確認する点検方法です。エンジンの燃料・回転・冷却・潤滑系などに問題がないか確認します。エンジン内部の実性能を維持するための分解整備です。

ただし、点検に1~2週間必要な場合があり、その期間非常用発電機の稼働ができないことがあるため注意が必要です。

【予防的な保全策】
負荷試験もしくは内部監察の実施が1年に1度必要ですが、毎年予防的な保全策を実施している場合、6年に1度に延長することができます。

予防的な保全策は、メーカー推奨年数に合わせてエンジンオイル、冷却水、蓄電池等の消耗品の交換、運転記録のデータを確認します。

 

非常用発電機の負荷試験を依頼するなら

弊社では、総合点検の中の非常用発電機の性能確認を重点的に請け負っており年間約1800件の施工実績があります。

特に数時間で点検が終わる「負荷試験」をお勧めしています。
発電機稼働停止時間が短く、交換部品も必要がないことに加え、負荷試験機を複数台自社保有しているため、スケジュール調整も柔軟に対応可能です。

また、内部監察・予防的な保全策も弊社にて対応可能ですので、性能や機能について不明な点がありましたら、お気軽にお問合せください。

弊社の現場担当者が施設状況に合わせたご提案をさせていただきます。

 

非常用発電機は消防法に基づいた設置・管理が必要

今回は、消防法上における非常用発電機の設置基準や点検義務などを中心に解説しました。

非常用発電機は、災害時や停電時に建物の安全を確保するために重要な設備です。
しかし、非常時にしか稼働しない設備のため、長期間の放置による性能低下が起きやすく、定期的な点検が不可欠です。

日頃から適切な維持管理を行い、いざという時に備えておくことが大切です。