非常用発電機の負荷試験は毎年必要?頻度や注意点などを解説
非常用発電機は停電時に建物の安全や事業継続を支える重要な設備です。
しかし、「負荷試験は毎年必要なのか?」「実施しないと罰則はあるのか?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
本コラムでは、負荷試験の必要性や点検周期、実施しない場合のリスクまで分かりやすく解説します。
非常用発電機の負荷試験は毎年必要?

非常用発電機は消防法に基づく点検対象のため、原則として毎年負荷試験が必要です。
以下でそれぞれ詳しく説明していきます。
そもそも負荷試験とは?
非常用発電機は普段ほとんど動かないため、いざという時に本当に動くかを確認するための試験が負荷試験です。
具体的には病院・工場・商業施設・オフィスビルなどで実施されている法定点検となっています。
単なる始動確認ではなく、負荷をかけて安定運転ができるか、煙・電圧・回転数等に異常がないかを確認します。
原動機にガスタービンを用いる自家発電設備を除き、消防法に基づく機器・総合点検の一項目のため負荷試験を実施する必要があります。
負荷試験の代表的な試験方法には「実負荷試験」と「模擬負荷試験」があります。
実負荷試験は建物で使用されている防災設備を運転させる試験のことで、模擬負荷試験は人工的に負荷を与えて運転させる試験のことです。
詳しくはこちらのコラムも合わせてご確認ください。
関連記事:非常用発電機の負荷試験とは?必要性や実施方法を詳しく解説
点検周期・頻度は?
非常用発電機は、消防法に基づく消防用設備等点検の対象設備です。
そのため毎年1回、発電機が問題なく電源供給できるかを確認する「総合点検」が必要となっています。
総合点検では、始動確認だけでなく、負荷をかけて性能を確認する試験が求められます。
この性能を確認する試験に負荷試験が含まれるため、原則として負荷試験は毎年1回の実施が必要とされています。
ただし近年の制度改正により、毎年予防的な保全策を実施している場合は負荷試験を6年に1回まで延長することができるようになりました。
この延長措置を適用するためには、日常的な維持管理や保全体制が適切に整っていることが重要となっております。
予防的な保全策とは?
予防的な保全策は、メーカー推奨年数に合わせてエンジンオイル・冷却水・フィルター類・蓄電池などの消耗品を計画的に交換するとともに、運転記録のデータを確認し、設備の状態を継続的に把握していく点検・管理です。
非常用発電機は日常的に稼働する設備ではないため、劣化や性能低下を未然に防ぐためには、計画的に消耗部品の交換や、運転状況の記録管理が重要となります。
予防的な保全策は、単に負荷試験の周期を伸ばすための制度対応ではありません。非常時に確実に発電機を稼働させるためには、日常的かつ計画的な保全管理が必要となっております。
負荷試験を実施しないとどうなる?

非常用発電機の負荷試験を実施しない場合、最も大きなリスクとして「いざという時に動かない」可能性が高まることがあります。
非常用発電機は日常的に長時間運転する設備ではないため、不具合が表面化しにくい特徴があります。
そのため、定期点検で負荷をかけない無負荷運転のみを行っている状態が続くと、以下のような不具合が発生する恐れがあります。
・燃焼不良による出力低下
・カーボン堆積
・黒煙、白煙発生
・始動不良
・計器類の不安定化
負荷試験は、これらの異常兆候を早期に発見することができます。
罰則はあるのか?
非常用発電機の負荷試験は消防法に基づく法定点検のため、実施しない場合は法令違反となる可能性があります。
消防法では、点検未実施や虚偽報告などに対して、以下の措置となる可能性があります。
・是正指導
・改善命令
・立入検査
・場合によっては罰金(30万円以下)
ただし、いきなり罰金が科されるケースは多くありません。
多くの場合は、まず行政による指導や是正勧告が行われ、それに基づき改善対応が求められます。
負荷試験はしなくても良い?
法令上の罰則以上に大きな問題は、負荷試験を実施しないことにより、発電機が非常時に正常に動かないリスクです。
想定される影響としては、次のようなものがあります。
・停電時の事故、二次災害
・入居者、利用者への損害
・事業停止による損失
・企業イメージの低下
負荷試験を実施しないことは、単なる点検未実施の問題ではありません。
非常時の安全性や事業継続計画(BCP)に直結する重要な課題といえます。
負荷試験を依頼する業者の選び方

機の負荷試験は、単に負荷をかけて運転すればよいというものではありません。
発電機の構造や特性を理解し、安全管理を徹底したうえで適切に実施できる業者を選ぶことが重要です。
業者選定時の主なポイントは以下のとおりです。
・発電機に関する専門知識があるか
負荷試験のみを専門に行う会社なのか、それとも発電機本体の保守・修繕まで対応できる会社なのかを確認することが重要です。
万が一、試験中や試験後に不具合が発覚した場合に、適切な対応や提案ができる体制が整っているかどうかは大きなポイントとなります。
・負荷試験機を自社保有しているか
模擬負荷試験の場合、負荷試験機を自社で保有しているかどうかが、価格やスケジュール調整に影響します。
また、負荷試験機の種類や容量により対応できる発電機が異なるため、対象となる発電機に対して十分な負荷をかけられる設備を保有しているか事前確認が必要です。
・対応地域について
全国展開している企業や他拠点管理を行っている場合、対応地域が限定されている業者では一括発注が難しいケースがあります。あらかじめ対応可能エリアの確認をしておくことが重要です。
負荷試験は非常用発電機の性能を確認するために重要な点検です。
価格のみで判断してしまうと、試験内容が不十分だったり、希望時期に実施できなかったりする場合もあります。
非常時に発電機を確実に稼働させるための品質を確保できる業者を選定することが、長期的なリスク低減につながります。
当社のサービス紹介
弊社では、非常用発電機の負荷試験を北海道から沖縄まで全国対応しており、年間約1800件の施工実績がございます。
負荷試験機を複数台自社保有しているため、お急ぎの場合も比較的柔軟にスケジュール調整が可能です。
さらに、内部観察や予防的な保全策の実施も弊社にて対応可能ですので、負荷試験だけでなく、発電機の維持管理全般についてもご相談いただけます。
非常用発電機に関してご不明な点やお困りごとがございましたらお気軽にお問合せください。
非常用発電機の負荷試験の頻度について
本記事では「非常用発電機の負荷試験は毎年必要なのか?」という疑問にお答えし、頻度や注意点などを解説しました。
非常用発電機の負荷試験は単なる法令対応のための作業ではありません。非常時に確実に発電機を稼働させ、電源供給を行うための重要な性能確認です。
制度の可否以上に「いざという時に確実に動く状態を維持できているか」が重要になります。
負荷試験を実施しないことによるリスクは、罰則よりも停電時の事故や事業停止といった実質的な損失にあります。
毎年の負荷試験や適切な維持管理を通じて、確実な安全対策を講じることが重要です。

