2種類の非常用発電機の負荷試験について

2024/04/10

非常用発電機の負荷試験は消防法によって義務付けられています。その実施方法には消防法で定められた2種類の方法があります。それぞれ、解説していきます。

実負荷試験

「実負荷試験」とは、災害時を想定して非常用発電機に負荷をかける試験方法です。実際に接続されている設備を稼働させ負荷をかけて一定時間連続運転を行います。

実負荷試験のメリットは、発電機と各設備の点検が同時に行える点にあります。非常時同様に施設内の設備を稼働させて負荷をかけるため、各設備が正常に稼働するかを点検できます。

ただしデメリットもあるので注意が必要です。
実負荷試験では施設内を一時的に停電しなければなりません。施設の種類によっては停電が難しいケースもあります。医療施設や24時間稼働している建物では実負荷試験の実施は現実的ではないため、この後紹介する模擬負荷試験しか選択肢がないというケースも見受けられます。

設備へ電源を供給しながら負荷試験を行うので、負荷率が安定しにくいのもデメリットのひとつです。また、各設備にそれぞれ人員を配置する必要があるためその分コストも高くなります。

模擬負荷試験

「模擬負荷試験」とは、模擬負荷装置と非常用発電機をつなげた状態で負荷をかける試験方法です。
非常用発電機と施設内の設備を一時的に切り離して専用の模擬負荷装置を使用します。そのため安定して負荷率を保ちながら試験を実施できます。

こちらの方法であれば停電を発生させることなく試験が可能になるので、病院やホテル、商業施設でも安心して実施することが可能です。実負荷試験より少ない人員で作業が可能な点もメリットです。

実負荷試験との違いは各設備の点検が同時にできない点があげられます。別途点検作業が必要になります。
しかし近年では実負荷試験より、模擬負荷試験を行うケースが増えています。

 

以前は非常用発電機を設置した初年度から負荷試験の実施が義務付けられていましたが、平成30年6月1日に交付された「平成30年消防庁告示第12号」により負荷試験の点検方法が改正されました。

主な変更点として、予防的保全策を毎年実施していれば非常用発電機の負荷試験は6年に1度で済むようになった点があげられます。予防的保全策とは、非常用発電機の確認項目と定期交換部品を交換して生じうるトラブルを予防することです。

非常用発電機(自家発電設備)の点検方法改正については「非常用発電機(自家発電設備)の点検方法改正についてまとめ」に詳しく記載していますのでご覧ください。

弊社ダーウィンでは安定した試験が行える点を考慮して、模擬負荷試験の実施を推奨しております。もちろん施設の状況や業種によって適切な負荷試験をご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください
費用面での相談や各施設にあった適切な点検方法など、私たちが責任を持って対応いたします。