非常用発電機の運転時間の基準は?計算方法も解説

2026/04/21

非常用発電機は、停電時や災害時に電力を確保するための重要な設備です。
いざという時にどの程度の時間運転できるのかを正しく把握しておくことが重要です。

運転時間の基準は法令や設備条件、さらにはBCPの考え方によっても異なります。

本コラムでは、非常用発電機の運転時間の基準や考え方、算出方法について解説します。

 

非常用発電機の運転時間の基準


それでは、非常用発電機の運転時間の基準について「消防法」「建築基準法」「BCP(事業継続計画)」に分けて解説します。

 

消防法

消防法では「〇時間以上連続運転できなければならない」といった一律の時間規則はありません。
しかし、消防用設備等に接続されている非常用発電機については、各消防設備が必要とする時間、確実に運転できることが求められます。

非常用発電機には主に以下のような消防設備が接続されています。

・非常用照明(30分以上)
・スプリンクラー設備(20分~1時間以上)
・排煙設備(30分~1時間程度)
※各設備の()内は、一般的に必要とされる運転時間の目安です。

施設や設備の条件によって必要な運転時間は異なりますが、接続されている消防設備の必要時間を満たせるように、発電機の運転時間を設定することが重要です。

 

建築基準法

建築基準法では、非常用発電機そのものの運転時間に直接規定があるわけではありません。一方で、非常用照明の作動時間は明確に定められており、これが実質的な基準となります。

建築基準法に基づき設置される非常用照明は、30分以上点灯できる性能が求められています。

そのため、非常用発電機を非常用照明の電源として使用する場合には、少なくとも30分以上の連続運転が可能であることが基本となります。

 

BCP(事業継続計画)

BCP(事業継続計画)では、消防法や建築基準法のような明確な法定時間の規定はありません。
そのため、「非常時に事業をどの程度継続したいか」「停電がどのくらい続くと想定するか」といった観点から、必要な運転時間を設定します。

一般的な運転時間の目安は下記の通りです。

・数時間(3~8時間程度)
→ 一時的な停電対応・安全確保
・24時間以上
→ 災害時の業務継続
・72時間(3日間)
→ インフラ復旧までを想定(病院やデータセンターなどの重要施設)

BCPで非常用発電機の運転を検討する際は、運転時間だけでなく発電機設備が長時間運転可能かどうかや、優先的に動かす設備の選定(負荷の絞り込み)も含めて検討することが重要です。

 

非常用発電機の運転時間の計算方法


非常用発電機の運転時間は燃料量と消費量の関係から算出できます。

(基本の計算式)
運転時間(時間)= 燃料タンク容量(L)÷ 燃料消費量(L/h)

燃料タンク容量は、設備の燃料タンクに記載されており、発電機内蔵型と別置き型があります。長時間運転を想定する場合は、別置燃料タンク(サブタンク)の設置が有効です。

燃料消費量は発電機の種類ごとに異なり、メーカーの取扱説明書に記載されています。なお、負荷率によって消費量は変動するため、条件の確認が必要です。

実際の検討では、以下の点も考慮します。

・負荷率の設定
・余裕を持った設計(安全率の確保)
・燃料の有効容量(全量使用できない場合あり)
・長時間運転時の燃料補給体制

非常用発電機の運転時間は計算により求められますが、運用条件に応じた設定と余裕を持った設計が重要です。

 

非常用発電機の点検・メンテナンスの重要性

非常用発電機は、停電時などの非常時に確実に作動することが求められる重要な設備です。一方で、平常時には運転される機会が少ないため、点検やメンテナンスを怠ると、いざという時に正常に起動しないリスクがあります。

また、起動できても途中で停止してしまう可能性があり、長時間運転ができるよう他の設備を整えていても、発電機の不具合によって非常時に対応できないケースもあります。

非常用発電機を設置していても、点検やメンテナンスが不十分なために十分に性能を活用できないのは非常に残念なことです。

設備の性能を確実に発揮させるためにも、日常的な点検と計画的なメンテナンスを継続することが重要です。

 

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非常用発電機の運転時間について

非常用発電機の運転時間は、消防法や建築基準法といった法令に加え、BCPの観点からも適切に設定することが重要です。

また、運転時間は燃料容量と消費量から算出できますが、実際の運用条件に応じた検討が必要となります。

さらに、非常時に確実に機能させるためには、日常的な点検と計画的なメンテナンスが欠かせません。
非常用発電機の性能を最大限に発揮させるためにも、適切な管理と運用を行うことが大切です。